クレマチスといえば丈夫なツルを伸ばして、美しい花を咲かせるツル性植物です。
別名「ツル性植物の女王」とも呼ばれ、多くの方々に愛されています。
そんなクレマチスは実は230種以上の種類があることをご存知でしたか?
そして花の付け方で大きく3つに分けることができるのです。
この分け方を正しく知らない方が意外と多くいらっしゃいます。
なぜそう思うか?
というと、私のところによく来る質問にこたえは隠されています。
なぜならクレマチスの剪定(せんてい)が分からないという内容がダントツで多い!
そしてこの剪定が分からない!には理由があります。
それは花の付き方のタイプ分けを正しく理解していないからなのです。
またタイプ分けでは植える花の付く時期や、それによる植える時期の微妙なズレ込みがあります。
今回は3つのタイプ分けについてを中心に、クレマチスを紹介しますので見ていきましょう。
質問に多い剪定についても触れていきますので、ご安心くださいね。
Contents
クレマチスの育て方を正しく知るための3つのタイプ分け
最初にクレマチスの花の付き方による3つのタイプ分けを説明します。
ここを理解しないと育成工程の剪定が分からなくなってしまいます。
しっかりと押さえていきましょう。
3つのタイプとは
- 旧枝咲き
- 新枝咲き
- 新旧枝咲き
の3つに分かれます。
それぞれの特徴はまず植える時期が異なるということ。
それぞれのタイプを簡単に説明していきますね。
旧枝咲き
旧枝咲きのタイプは前年に生えたツルから花を咲かすタイプです。
植えるタイミングは2月~3月の成長期を迎える直前が適します。
新枝咲き
新枝咲きは新しく生えたツルから花を咲かします。
またこのタイプは古いツルからは花を咲かせません。
春に新しい芽を出し、夏には多くの花を付けます。
そのため1~3月頃に植えるとちょうど良く育ちますよ。
新旧枝咲き
新旧枝咲きは上の2つの性質を併せ持ちます。
どんなツルにも花を咲かすことが特徴です。
植える時期は1月中旬から3月中旬が適しています。
花の咲き方での3つのタイプ分けは押さえられましたか?
植える時期に大きな違いはありませんが、細かく見るとといったところで参考にしてください。
次はタイプ分けをしたものの代表例を、いくつか見ていきましょう。
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クレマチスの分類別の代表例
ここでは3つにタイプ分けしたクレマチスの、それぞれの目安となる品種を紹介します。
クレマチス栽培の際にお役立てください。
旧枝咲きの品種
ここの品種は早咲きな点が特徴です。
4月の終わり頃に開花をするタイプですので、覚えておきましょう。
新枝咲きの品種
インテグリフォリア系、ビキセラ系、テキセンシス系などが含まれます。
ここの品種は思い切って剪定を強めにやれば、四季咲きとしてクレマチスを楽しむことが可能です。
四季咲きと言われると1年中花を咲かせるのかと思われがちですが、そうではありません。
実際は株が充実して、開花する気温になったらいつでも咲くという条件付きです。
1年中咲きっぱなしというわけではないので、過度な期待がないよう注意しましょう。
新旧比較咲きの品種
ここの品種は剪定を繰り返すことで四季咲きが楽しめる品種です。
いかがでしたか?
品種もかなり多いですが、タイプごとに分ければ割と育てたい品種も見つけやすくなるかもしれません。
次からは質問に多い工程の説明です。
この説明に3つのタイプ分けの知識が必要なんです。
覚えきれてない方は先に復習してくださいね。
クレマチスの剪定方法
上の方でも触れていますが、クレマチスは花の付け方よって剪定方法が変わります。
そしてこの部分がクレマチス栽培の初心者の方には分かりにくいようなのです。
旧枝咲きの剪定
旧枝咲きの剪定では大きくバッサリ切ることはできません。
花首(花のすぐ下)か、それより一節下の部分を切ります。
クレマチスの一節とは葉と花の間、或いは葉と葉の間です。
ここの場合は花とその下の葉の間の茎の部分となります。
そうすると切ったところから新枝が伸びます。
この新たな枝は翌年の花を付ける枝となりますので取っておきましょう。
ポイントは節の真ん中で切ることです。
葉のすぐ下で切ると芽まで枯れてしまう可能性があります。
また古い枝を切るのですが、断面が緑なら生きている枝の証ですのでそれを確認しながら作業できますよ。
新枝咲きの剪定
新枝咲きの剪定はバッサリと根元から切ってしまって問題ありません。
バッサリと剪定をした部分から脇芽が出て、それにそのまま花が付きます。
新しい枝に花が付くので、簡単に長期間で花を楽しむことができるのです。
新枝咲きのクレマチスは冬には根元の枝まで枯れます。
地中に残った部分から新芽が出るのです。
枯れてしまったところは芽を付けることはないので、切り取ってしまってください。
また冬でも残る枝が稀にあります。
そちらは芽を付ける可能性があるので切らずにおきましょう。
新旧枝咲きの剪定
新旧枝咲きの剪定は開花後に二節程度を剪定します。
こちらも節と節の真ん中を切るようにしてくださいね。
そこから脇芽が出て花を咲かせます。
新旧枝咲きの注意点は単純に新しい枝、古い枝の両方に花が付くのではない点です。
昨年の枝から今年の新しい枝が出ます。
その新枝が成長するとそこに花を付けるのです。
管理自体は新枝咲きに近いので強めの剪定にも耐えます。
ですが花後の剪定をしないと次の花を付けません。
3つのタイプごとの剪定方法はいかがでしたか?
やり方から注意点まで、割と異なりましたよね。
基本的な知識がなく、剪定についてだけ調べると混乱する理由です。
剪定方法がたくさんあるのではなく、タイプによって異なるのです。
またこの剪定方法の違いで、新枝咲きタイプが初心者の方でも育てやすいタイプと言えます。
続けて冬の剪定時にやりたいツル下げについて紹介していきます。
クレマチスのツル下げについて
クレマチスの新芽が出た頃の剪定とセットで、ツル下げという言葉が登場します。
冬の剪定のやり方と併せて覚えてください。
まず冬場に行う剪定は弱剪定と呼ばれます。
この工程が必要なタイプは主に「新旧枝咲きタイプ」です。
弱剪定は新芽が出始めた冬に実施します。
まずは枯葉を全て取り除きます。
ハサミなども使い、綺麗に取り除いてください。
次に枯れた枝を剪定します。
芽が付いていないものだけに実施しましょう。
膨らみがある部分は芽がありますので、そうした部分は切り取らないでください。
若い株だと根元近くまで剪定することもありますが、それが普通ですので心配しなくて大丈夫です。
文章だけではわかりにくければこちらの動画を参考にしてみてください。
短くわかりやすくまとまっているので見やすいですよ。
そんなに難しい作業ではないですよね?
そしてこの後に「ツル下げ」をします。
ツル下げとは名前のまんまで、ツルを下に下げることです。
株元や下の方にツル(枝)を巻きつけ直す作業を指します。
この時に表面が割れても問題ありません。
中の部分まで折れないように注意して巻きつければツル下げは完了です。
ツル下げをすることで上の方だけに花を付けてしまうことを防ぐことができます。
表面が割れても問題無いのと、花を綺麗に咲かせるために必要です。
恐がらずに実施してください。
ツル下げについては理解できましたか?
比較的、クレマチスを調べると出てくる単語ですので覚えてしまいましょう。
それでは最後にまとめとおさらいです。
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クレマチスの育て方で多くの方が疑問に思うこと~まとめ~
今回はクレマチスの育て方で、私が質問をうける内容で最も多い質問を中心に紹介しました。
多くの方が花の咲き方による3つのタイプ分けを正しく理解できていなかったのです。
皆さんはもう大丈夫ですよね?
またそれを理解していなかったためにクレマチス栽培の剪定の工程内容で混乱していました。
タイプ分けの説明後に、剪定の説明を見たら理解できましたよね?
それぞれの剪定方法を見て、自分が育てている、あるいは育てようと思っているクレマチスの種類の確認をしてみてくださいね。
その上で正しい剪定をしてあげましょう。
また特に何も決めていない初心者の方は、新枝咲きタイプを選ぶことをおすすめしています。
自分が育てられるものをしっかりとチョイスして、「ツル生植物の女王」クレマチス栽培を楽しみましょう。
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