ガーデニングの本場のイギリスでは
つる性植物の女王と言われるほどのクレマチス。
アーチや壁面などを利用して空間を立体的に彩る事ができる人気の植物です。
栽培自体はちょっとしたコツさえつかめばさほど難しくはありません。
なのでだれでも気軽に楽しめることができます。
今回は、沢山あるクレマチスの中でも人気の
モンタナ系について栽培のポイントを紹介します。
カッコよく見える誘因方法や病気や害虫にどういう対策をしたらいいのか?
そして肥料の与え方など日常に知りたいと思っている内容を紹介しちゃいます。
Contents
クレマチスの育て方~基本編~
クレマチスの育て方の注意点は何点かありますがこれからそのポイントを紹介していきます。
まずクレマチスは日当たりの良いところが好き。
さらに、風通しのいい所も大好き。
この場合の風は「心地よい程度の風」のことで強風の所はNG。
- 鉢植えは直接地面に置かないように
- 水は土の表面が乾いたらたっぷりと
- 肥料は定期的に与えよう
- 病害虫防除は早めに対策を
このポイントを押さえておけばクレマチスは元気に育ってくれます。
今回紹介するモンタナ系のクレマチスはクレマチスとは思えないマーガレットのような平開咲き(へいかいさき)の花です。
この品種のひとつにハナミズキのような十文字型の花を株を覆うほどに咲かせるものもあります。
凄く目を引くので庭の主役級になれるインパクトがありますよ!
では、このクレマチスがどんな環境で栽培するといいのか?
季節の管理方法等を詳しく紹介していきますね。
クレマチスはどんな環境が好み?
クレマチスは世界各地に自生しています。
今回のモンタナ系の品種はヒマラヤや中国などに自生している種類です。
クレマチスは日当たりのいいところが大好きなのは先ほどお伝えした通り。
ただ、季節に応じて置き場所に注意する必要があります。
クレマチスの出身のヒマラヤや中国と聞けばやはり寒そう!
ですよね。
ご想像の通りクレマチスは寒さに強くて暑さに弱いです。
春は外の日当たりのいいところに飾ります。
この時の注意点は春の強風。
春は暖かくて凄くいい季節なのですが実は小さな台風並みの強風が吹きます。
このときの風で大事な枝がポキッっとなってしまう。
せっかくついた花目の蕾が傷付いて花が楽しめなくなってしまう。
そんなお悩みが多い季節です。
なので風の通り道などには置かないようにしてください。
鉢ごと倒れることもよくありますよ。
そして暑い夏は、夏の直射日光を当てると葉焼けを起こしたりして弱ってしまいます。
葉焼けというのは一種のヤケドのような感じです。
なので夏の庭においている場合は木漏れ日の下になるところにおいてあげましょう。
室内であればレースのカーテン越しに飾るのがいいですね。
秋は台風の心配があるので、この季節も風のあまり当たらない場所に飾ります。
台風が到来しそうなときはあらかじめ鉢ごと玄関に避難させておけば被害を最小限にとどめられます。
冬は、寒さにはある程度強いのですが霜と凍害には注意が必要です。
なので軒下などの雨風が直接当たらない場所に置いておけばいいかと思います。
肝心のクレマチスの花は4~5月ごろに咲きますので冬から春かけての置き場所には気を付けましょう。
これまでの紹介で置き場所はわかりましたよね。
次は植物が成長していくうえで命ともいうべき水の与えかた。
この水の与え方にも季節ごとに注意が必要です。
クレマチスはどれくらいの間隔で水やりすればいいの?
クレマチスの水の与えかたについて紹介していきますね。
まずは春からいきましょう。
春先は生育が盛んな時期なので用土の表面が乾いたらたっぷりと与えましょう。
水が足りなくなると成長が止まってしまうので水切れに注意が必要です。
次はクレマチスの少し苦手な夏の水の与えかたです。
春同様生育の旺盛な時期になります。
でも、与え方に注意が必要です。
水をたくさん欲しがりますが朝(結構早朝6時から8時位)と夕方にたっぷりと与えます。
その理由、なぜだかわかりますか?
そう。
暑いのが苦手だから。
日のよく当たる日中に与えると水が土の中で熱くなります。
そうすると根っこが火傷した状態に!
なので枯れてしまうのです。
水やりは比較的涼しくなる時間帯にしましょう。
秋は夏ほど頻繁に水は欲しがりませんが用土の表面が乾いたらたっぷり与えます。
ただ、秋の長雨の時期にはポイントがあるんです。
外で育てていて土が湿っているのであればその日は水を与える必要はありません。
ムシムシと暑いのは、人間もクレマチスも苦手なんですね(^-^;
最後に冬の水やりの方法です。
冬は必ず朝に水を与えましょう。
その理由は夕方に水を与えてしまうと夜中に凍ってしまうから。
そうすることで、根を傷めて、枯れる可能性が出てくるのです。
水を与える間隔は用土の表面が乾いてから3日後位にたっぷり与えます。
おそらく一週間程度の間隔になると思います。
なぜそんなに間隔が空いても大丈夫なの?
それはクレマチスが成長の速度をゆるめる時期だから。
成長速度が緩やかな時期にはお水もあまり必要ないんですよ。
これまで季節別の置場所や水の与え方など紹介してきました。
置き場所や水の与え方まではもうバッチリですね!
次は栄養分の肥料にいきましょう。
与え方を間違えると枯れてしまうこともあるので肥料の与え方を詳しく紹介します。
あげ方次第で毒にも薬にもなる肥料。
ぜひチェックしておきたいポイントですよね。
肥料はどのタイミングでどのくらいあげればいい?
肥料の与え方にも季節ごとの注意が必要です。
まずはクレマチスの季節の始まりの春の肥料の与え方からいきましょう。
春は生育が旺盛で水分と養分をたくさん欲しがります。
春先は粒状の緩効性肥料を10グラム程度を与えます。(3~5月)
春の間は2ヶ月にに1回くらい粒状を与え、液肥を月に2回くらい与えます。
つまり春は2種類の肥料を与えるということですね。
- 3月と5月に粒状の肥料
- 3月から2週間に一回液体の肥料
こんなスケジュールです。
液肥はハイポネックスなどでOKです。
ホームセンターなどに売っていますよ。
結構有名な肥料なので見たことのある方も多いのではないでしょうか?
夏の肥料は夏バテ防止のために液肥を薄めにして与えます。
肥料の容器に記載されている希釈の倍ぐらいの薄さにします。
つまり、1ℓに10mlの肥料を入れるとしたら、
- 1ℓに5mlの肥料を入れる
- 2ℓに10mlの肥料を入れる
どちらかの方法で簡単に解決です。
月に二回くらい与えましょう。
夏は固形や粒状の肥料はカビが生えたりすることがあります。
カビが原因で病気なるクレマチスも見かけます。
なので、夏は液肥だけにしてくださいね。(6~8月)
秋は粒状の肥料を2ヶ月に1回春と同じように10グラム程度与えます。(9~11月)
また液肥を通常の希釈で月に1回位与えます。
秋の時期は粒状の肥料は春と同じ要領で。
つまり、9月、11月に一回ずつですね。
春と違うのは液体肥料をあげる間隔です。
秋は月に1回。
冬は粒状の肥料は2ヶ月に一回10グラム程度与えます。(12~2月)
月に1回位液肥を通常の希釈で与えます。
冬は秋と同じ間隔でOKです!
肥料の与え方は季節ごとに少しの注意が必要です。
肥料の与え方さえ間違わなければとても元気なクレマチスになります。
次は着いてしまったら枯れてしまうこともある怖い病害虫について対策を詳しく紹介します。
クレマチスの病害虫対策は?
クレマチスの病害虫は季節ごとに着く虫が変わります。
感染する病気も変わりますので季節ごとに対策が必要です。
予防のためにオルトラン粒剤を少量土の上にまいておくと効果的です。
夏は梅雨時期の雨で日照時間が不足しがちで害虫も着きます。
雨の後によくうどん粉病や立ち枯れ病といった病気にも掛かりやすくなります。
なので夏は殺菌剤(トップジン水和剤)、殺虫剤(スミチオン乳剤)等を希釈通りに薄めて噴霧器で散布します。
秋は毛虫がやアブラムシが着きやすいです。
長雨が続くので病気にも掛かりやすいので早めの予防が必要です。
殺虫剤(オルトラン乳剤)、殺菌剤(トップジン水和剤)を噴霧器で散布します。
オルトラン粒剤を土の上にまいておいても殺虫予防できます。
冬は、殺虫殺菌を予防する対策が必要です。
トップジン水和剤やオルトラン乳剤を茎や葉だけではなく土の部分にも散布します。
これで土中の虫にも効果が出ます。
最後に植木鉢は外で置く場合は必ず地面に直接おかずにブロックやレンガで浮かせて置いてください。
雨の跳ね返りによる病気の発生を少なくしたり、線虫の被害を防止できます。
植物は雨天の後は結構病気に掛かりやすくなるのでよく観察が必要です。
特に雨の日の後に晴れて高温になるときを特に注意してください。
夏の夕立の後なんか注意ですよ!
人間の場合の風邪と同じように早めの対処が病害虫の被害を最小限にとどめられます。
次は綺麗なクレマチスを咲かせるために必要な誘引(ゆういん)の仕方について紹介します。
【おすすめ記事はこちら】
クレマチスをうまく誘引(ゆういん)するコツ!
クレマチスの誘引は全然難しくありません。
今回は植木鉢で栽培する時の誘引方法について紹介します。
タイプは二つリング状に誘引するか三角錐状に誘引するのが一番多そうですね。
やることは形が変わっても変わらないので簡単です。
誘引方法は剪定管理とも密接にかんけいしていますが剪定はまた別の機会に紹介します。
まず最初にクレマチス購入した際に形がほぼ完成していれば誘引の必要はありません。
ただ小さな苗を購入した際は少し剪定をします。
剪定するとそこから分岐して1本の茎から2本に分かれてくれます。
この別れた茎を支柱に誘引バンドを使用して止めます。
この時の注意点は支柱に茎をくぐらせない事です。
上に誘引せずにリングなどを利用して横に誘引するのがコツです。
なぜかと言うと枝は縦に誘引してしまうと上に伸びようとする性質があります。
なので横に誘引することで茎を長くして花を沢山観賞することが出来ます。
誘引する枝は誘引する向きを統一するとすっきりとまとまって見えます。
クレマチスを購入するときは仕立てやすいように支柱もセットものを購入するといいですよ。
初心者には支柱選びを悩まなくていいのでおすすめです。
栽培の方法も慣れ、誘引にも慣れてくると次は植え替えなども気になるところですよね。
なので次は少し注意点があります。
でもすごく簡単な植え替えのやり方について紹介したいと思います。
クレマチスの育て方!~植え替え編~
まず、準備するものは少し深めの植木鉢と園芸用土それに鹿沼土の細粒の他に作業道具(ハサミ、手袋、エプロン等)を準備します。
クレマチスの植え替えに適した時期は2~4月です。
成長を始めるちょっと前に済ませておくのがポイント。
まずシートの上で植わっているクレマチスを植木鉢から外します。
この時誘引してあったものは短めに切って枝を整理してください。
誘引の時に紹介しましたが支柱に絡めてあると外す時が大変なので誘引バンドでするのはこの時の為です。
その後新しい植木鉢の底に網を敷きます。
次にボラ土を軽く敷きます。
そして用土(園芸用土、鹿沼土1:1で混ぜたもの)を薄く入れます。
ここまで、特に難しくないですよね?
次は細心の注意を払い、クレマチスの根が壊れないようにゆっくり新しい植木鉢に入れていきます。
その後ブレンドした用土を上まで入れてたっぷり水を与えます。
この時の水は1回だけではなく何回かに分けて与えてくださいね。
最低でも3回は必要です。
鉢に入れたばかりの土にはあまり水分が含まれていません。
なのでまんべんなく水をいきわたらせるためにも何度か水を与えるのがポイントなんですよ。
植え付け後は1週間くらい毎日水を与えます。
というのも、根が土とよくなじむようにするためなんですね。
切った茎が長い場合は支柱を立てて誘引して置きます。
大体2年に1回くらいで植え替えをすると綺麗に育ちますよ。
以上が植え替えの方法です。
すごく綺麗なクレマチスこれまでの紹介で植え替えまでをやってきました。
でもこのきれいなクレマチスも植物なのでやはり寿命があります。
次はどれくらい1つの株が生きられるのかを紹介します。
クレマチスの寿命ってどれくらい??
クレマチスに限った事ではありませんが
どんなに気をつけていてもやはり病気なったり虫がついたりもします。
害虫がつくたびに薬品でその都度対応しても病気や害虫による被害ですこしずつ弱っていきます。
このダメージを軽減するために剪定や植え替えをするんです。
これをくり返しすることで6年位生育させることができます。
つまり6年位でクレマチスは枯死してしまします。
すごく大事に育てたクレマチスが枯れてしまうのはすごく残念ですよね。
でもまた新しいステキなクレマチスに出会えます。
次の新しいクレマチスとの出会いに夢が膨らみますね。
でもクレマチスは結構簡単に増やせ方法があるのですがそれはまた別の機会に紹介したいと思います。
それでは最後にクレマチスを育て方をおさらいをしますね。
【よく読まれている記事はこちら】
クレマチスを元気に育てる方法~まとめ~
まずは、置き場所から。
春は風の通り道に注意、それから夏は日差しに注意します。
それから秋は台風に注意して最後に冬は軒下で霜に当てない事を守ってください。
次に水管理。
春から秋はたっぷりと。
時間帯に注意するのは夏と冬。
冬は水を控えめにして朝に水を与えます。
肥料は基本2か月に1回くらいで液肥で不足分を補います。
夏は虫の発生抑制の為、液肥のみのほうがいいのを忘れないようにしてください。
病害虫の対策は早めがコツです。
植木鉢は絶対に地面に直接つけないようにするのも対策のひとつです。
誘引は横に横にを心がけて支柱へ結束は絡ませずに結束バンドで行いましょう。
植え替えの適期は2~4月。
この時期が一番成功率が高いのでこの時期を逃さないようにしてください。
それではクレマチスの綺麗な花を楽しんでください。
【関連記事はこちら】