大切に育てている植物や野菜は出来る限り元気に育てたいですよね。
でも、ある日葉っぱが穴だらけに…
「間違いなく虫の仕業だ!」
そんな状態になっていれば誰だってそう思うでしょう。
そして、早く虫を見つけて取り除かないと!とも思いますよね。
でも翌朝にいくら探しても虫の姿が見当たらない…
こん状況になったら、まずヨトウムシを疑いましょう。
植物であれ野菜であれ被害を受けます。
なにより、とても厄介な害虫なんです。
今回はそんなヨトウムシの駆除の方法を紹介したいと思います。
ヨトウムシとはどんな虫なのか?
基本的な駆除の方法は?
野菜栽培をされている方が悩むであろう、農薬についてまで触れていきますのでぜひ参考にしてください!
Contents
ヨトウムシってどんな虫?
ヨトウムシの正体はガの幼虫です。
ヨトウムシ類に含まれるガの幼虫をまとめて呼んでいます。
ということはお気づきですよね?
イモムシ系の見た目の虫。
(「はらぺこあおむし」くらいの見た目なら、ちょっとはかわいいのに・・・)
冬の期間は土の中で越冬しているのが特徴です。
そのため越冬中に事前に発見することは困難なんですね。
そして4月頃になると孵化して地上に出てきます。
地上に出ると葉に卵を産み付け、その卵から幼虫に育つのです。
1か月もするとサナギになり、このサナギは地中に潜ります。
だから見つけにくい!
ヨトウムシの厄介な習性
厄介なのが8月~9月に孵化したヨトウガが卵を産み付け、再度9月~11月に幼虫が発生する。
そういうサイクルなんです。
このサイクルを繰り返してしまうことが被害の厄介さを増してしまっています。
冒頭で触れたようにヨトウムシの大きな特徴は、虫の姿が見当たらないことなんです。
理由はヨトウムシの習性にあります。
ヨトウムシの幼虫は日中は土の中に潜っているんです。
夜になると地上に出てきて活動を始めます。
そのため「夜盗虫(ヨトウムシ)」と呼ばれているんですね。
(先日うちの小松菜の新芽が見事に一夜にして全滅・・・)
ヨトウムシの見た目は?
日中は株元などの土の中にいますが、活動する夜間などは姿を見つけることができます。
ヨトウムシの見た目は、若い幼虫だと黄緑色の体です。
しかし老齢化した幼虫では褐色~黒褐色の色をしています。
大きさも老齢幼虫では5センチほどと、かなり大きいサイズで食べる葉の量も多くなるんです。
若い幼虫では葉の柔らかい表皮、葉脈が主な被害箇所なので葉がかすり状となります。
老齢化した幼虫は、葉をバリバリ食べますので葉全体を食べ尽くしてしまうんです。
大体、このくらいの被害が出るまで私は気が付かないんですけどね。
幼虫の成長度合いで、被害の見た目も変わってきます。
ヨトウムシは孵化~産卵~幼虫といったサイクルのために、非常に厄介な害虫と言えます。
また「夜盗虫」と呼ばれるだけあって、発見しにくいことも困った点です。
そんなヨトウムシはどこからやって来るのでしょうか?
いつの間にか付いているとはいえ、どこからかやってきてるはずですね。
それが分かれば予防が可能になるはずです。
ヨトウムシはどこからやって来るの?予防方法を考えよう。
ある日葉が喰われているとはいえ、どこからかヨトウムシはやって来ているわけですよね。
一体どこからやってくるのでしょうか?
その答えは成虫であるガにあります。
成虫であるヨトウガが、植物に飛来をして葉の裏に卵を産み付けているんです。
しかもヨトウムシは雑食です。
しかも野菜や花、花木、庭木などを好む傾向にあります。
ガーデニングを楽しむ方からすればとても迷惑な話ですよね。
でもだからこそ、厄介で多くの方が悩まされる害虫となります。
上にも書きましたが、老齢化した幼虫になると、葉ごとバリバリ食べてしまうんです。
放っておくと葉が食べ尽くされ、いずれ株が枯れてしまうことになるんですよ。
しかも日中に姿が見えないので、対処が遅れることもしばしば。
出来る限り対策をするべき害虫と言えます。
ヨトウムシの予防方法は?
ヨトウムシが付く理由は、成虫であるガが飛来することが原因だと説明しました。
つまり、予防をしたければガの飛来を予防すれば良いんです。
主に4月~5月、8月~10月に植物の苗に寒冷紗(かんれいしゃ)を掛けることで予防ができます。
植物の苗を覆うことで、ガとの接触を防ぐためですね。
イチゴなんかの栽培の説明では、必ずと言っていいほど説明があります。
また寒冷紗などの物理的に接触を防ぐ方法の他で簡単なものは、虫除けスプレーを吹き掛ける方法です。
市販のもので、人体に影響の少ないものが販売されています。
また中にはリンゴ酢由来などの無農薬のものも売られていたりします。
育てているものに合わせて選んでください。
このように成虫のヨトウガ自体を寄せ付けないことが必要となります。
寒冷紗をかけるかどうか、スプレーは農薬か無農薬かなどを考えて予防策を取ってくださいね。
それでは続けて、ヨトウムシが付いてしまった時の対処法を見ていきます。
予防していても被害に遭うこともありますし、知らずに予防を出来なかった場合もありますよね。
土の中にすでに潜んでいる可能性もあるので。
というわけで、対処の仕方までしっかりと覚えていきましょう。
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ヨトウムシ駆除のためにまずは発見をしよう!
ここからはヨトウムシの駆除についても見ていきましょう。
どれだけ気を付けていても被害に遭う時には被害に遭うんです。
その時にどれだけ迅速に対応できるかが重要になりますよ。
これは経験者の方ほど納得してもらえるかもしれません。
しかも今回は厄介なヨトウムシについてです。
土に潜るという変わった習性がありますので、対策を知っておいて損はないでしょう。
では早速見ていきます。
ヨトウムシの駆除で心掛けたいのは、早め早めに対処することです。
これは卵の内に駆除しましょうという意味ですよ。
孵化してしまうと土に隠れてしまいます。
完全に動いていない卵のうちに発見と駆除をするのがベストと言えます。
ヨトウガは1度に1000以上の卵を産み付けるので、葉の裏にびっしりと卵が付くんです。
こまめに葉裏をチェックしていれば早期に見つけられます。
必ず葉裏のチェックをするようにしてあげてくださいね。
そして、もし見つけた場合は葉ごと処分をしましょう。
もし葉などに被害があれば、既に孵化してしまっていることになります。
また虫である以上は、フンが落ちていることが多いです。
フンがある場合も孵化して近くにいると思ってください。
そして、この場合だと少し手間が掛かりますがヨトウムシを探すしかありません。
幼虫が大量発生するのを防ぐのと、幼虫が大きくなって植物の摂取量が増えてしまうことを防ぐためです。
ヨトウムシは日中は株元の土の中や、葉の裏に隠れていることが多くなります。
手間ですが土の中、葉の裏までしっかりと探して処分をしてください。
ここまで書いたように、まずはしっかりと植物を観察することが重要です。
それが早期発見に繋がり、結果として被害を小さく抑えることができます。
可能な限り卵の内に、無理でも大量発生や幼虫が大きくなる前に確実に対処できるように覚えておきましょう。
ではここからは薬剤について触れていきます。
特に野菜など収穫をするものを育てていると気になるところですよね。
ヨトウムシ駆除薬剤の選び方
ヨトウムシ対策は早期発見が大切なことが分かっていただけたと思います。
ここからは薬剤での除去について紹介となりますので、こちらも参考にしてください。
大量発生を防ぎましょう!と言われても、栽培の規模が大きかったりすると現実的でない場合も多いんです。
そのため薬剤に頼ることもしばしばといったところが、実際のガーデニング事情(^-^;
ここでは基本的な知識を知っていきましょう。
薬剤の剤型は大きく分けて3つです。
1つ目は粒状のタイプで、こちらは残効性が高くなります。
粒のものは基本的に土に撒くタイプのものであり、土の中の虫を駆除が目的です。
植え付け前に撒いたり、庭植えで特に活躍します。
ダンゴムシ大量発生などにも使えて効能効果は幅が広いです。
代表的な粒剤の商品は「サンケイデナポン」。
割と多くの店舗で取り扱っているのを見かけます。
2つ目はスプレータイプで、葉や株に直接吹き付けます。
効果が高いものの中でも植物由来成分のものも多いです。
残留性が少ないものもあり、収穫をする野菜などにも安心して使えます。
直接スプレーで吹きかけるので手軽さが魅力と言えるでしょう。
スプレーの代表的な商品は「ベニカ、パイベニカシリーズ」です。
スプレータイプとなると、ドラッグストアなんかでも見かけるようになりました。
3つ目は希釈タイプで、水で薄めて散布をします。
スプレータイプに近いですが、撒ける量や範囲が多くなるので栽培範囲が広い時に役立つんです。
スプレータイプでは間に合わないような、広範囲での栽培の際には利用してください。
こちらも植物由来で、残留性が低いものが多く出ていますよ。
代表的な商品は「オルトラン水和剤」です。
私はこちらの商品を使うことが多くあります。
広範囲に撒けることと、効果が高い点が特徴ですよ。
割と剤型も複数ありますし、この剤型ごとに多くの薬剤が市販されているんです。
この中から薬剤を選ぶのに注意が必要となります。
それは使用できる作物が決まっていたり、使用できる時期が決まっているからなんです。
必ず注意事項を確認の上で使用しましょう。
また時期の違いについては、幼虫用か成虫用か食害被害を防ぐのかなどで分かれています。
必ず使える時期も照らし合わせて選んでくださいね。
そして使用する際はなるべく広範囲に撒くこともポイントですよ。
理由はヨトウガの飛来の防止にも繋がるからです。
被害にあった植物以外にも散布して、ヨトウガ自体の予防をするようにしましょう。
薬剤の基本は分かりましたか?
必ず剤型を選ぶのことと、注意事項を確認することを忘れないでください。
最近では残留性がほぼないものが多くあるので、野菜でも気にせず使えます。
でもどうしても使いたくない方は予防をしっかりする他ありません。
ヨトウムシ予防を薬剤以外で
上にも書きましたがヨトウムシの予防には、基本的には寒冷紗や市販の薬剤で行います。
この他にも薬剤を除いた方法がまだありますので、そちらも紹介していきます。
まずは米ぬかです。
米ぬかに薄めた殺虫剤を混ぜ、トレーなどに乗せて畑などに仕掛けます。
そうすると米ぬかが大好きなヨトウムシは、そちらに誘導されるんです。
殺虫剤が混ざっていますので一気に捕殺できるという仕組みとなります。
次にコーヒーです。
ヨトウガはコーヒーを嫌う性質があります。
そのため濃いめのコーヒーを葉に散布すると、食害防止とすることができるのです。
またコーヒーの出がらしを土に混ぜれば、侵入防止にも使えます。
次に草木灰です。
枝やわら、落ち葉などを燃やした後の灰のことですね。
これを植物の葉に振りかけておくと産卵防止になります。
土に混ぜれば禁忌剤としても使用が可能です。
灰を混ぜると土がアルカリに傾くので、栽培している植物との相性をチェックしてください。
最後が殺虫灯です。
ベランダ菜園など比較的狭い範囲の栽培で役立ちます。
高電圧で近付いた虫を退治するタイプの器具のことです。
雨が当たらないところで、吊り下げられる場所があれば便利で役立ちますよ。
以外と薬剤を使わない予防方法がありましたよね?
それぞれ注意点があるので、その都度の確認はしてください。
使えそうな方法があれば幸いです。
では最後にまとめとなります。
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ヨトウムシの予防と駆除の方法は?~まとめ~
ヨトウムシの厄介さは伝わりましたか?
まず、その厄介さを知って欲しいです。
そして厄介だからこそ、予防や早期の発見が重要となります。
なにより植物をしっかりと観察することが重要ですよ。
そして予防方法は割と選択肢があります。
自分と植物に合った最適なものを選んでくださいね。
また駆除などについては必要があれば、市販の薬剤を使用しましょう。
最近では技術が進んでいますので、比較的安心して使えるものが多くあります。
残留性もほとんどないものが多いので、余程のこだわりが無ければ使用しましょう。
ヨトウムシは厄介ですが、予防も対策の方法も多くあります。
しっかりと知識を持って、栽培を楽しめるようにしてくださいね!
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