バラは育てるのが難しい。
そんなイメージありませんか?
実は、難しいと言われているその理由。
それこそが、この黒星病のせいだったのです。
黒星病「くろぼしびょう」とはその字のごとく、葉が点々と黒くなる病気です。
その後、葉が落葉し・・・
バラ自体に影響が出ることも少なくありません。
その症状や原因。
予防法から対処法まで。
今回は黒星病についてのお話しです。
完全な治療薬はないの?
色々と疑問もあると思います。
分かりやすく、詳しくお伝えしていきますね。
しっかり予防して、毎年綺麗なバラをたのしみましょう。
Contents
バラの宿敵!黒星病とは?
さて、バラの宿敵ともいえる黒星病。
病気にかかると、どんな症状がでてくるのでしょう。
まず、どんどんと葉が不規則に黒ずんできます。
目に見えて発見し、黒星病を確認する頃には末期といわれているのですから大変です。
目で確認できる=すでに遅し
というわけなのです(´;ω;`)
黒くなってきた葉は黄色くなり、やがて落葉します。
こうして光合成が行えなくなり、バラ自体が弱ってしまうのです。
タダでさえ、バラは枝が伸びにくく、新しい葉を作りにくい植物です。
葉が無くなっていくことはバラにとって致命的!
じゃあその原因って何?
黒星病はなぜ発生するの?
黒星病は葉の裏から感染すると言われています。
ですが、葉の表面からも感染することが分かってきました。
もともと、バラの葉には薄いワックスのような膜があります。
このワックスがあることで、雨などをはじき美しい姿を楽しむことができるんです。
ですが、若葉のころから時間が経つと徐々にワックスも取れてきます。
その原因は雨だといわれていて、防ぎようのないものです。
特に日本の雨は酸性雨。
酸性ということは「酸」があるわけですよね?
酸はいろいろなものを溶かします。
なのでその葉のワックスも溶けてしまうのではないでしょうか?
あくまで個人的な意見ですが・・・。
その証拠に、ビニールハウスで育てているバラには感染例が少ないと言うのです。
このように、どこからともなく現れる黒星病。
原因は?どこからやってくるの?
次で分かりやすく見ていきましょう。
バラの黒星病はうつるの?
黒星病の原因となる菌はどこにいるのでしょう。
原因となるのは糸状菌(しじょうきん)という菌です。
この糸状菌。
やっかいなことに、土の中ならどこにでもにいるというのです。
保水率の高い土に多く存在するので、赤土よりも黒土に多いようです。
その菌が、雨などによって跳ね返り、ワックスの取れてしまった葉の裏から感染するとされています。
そして、感染した葉に潜んで冬を越し、春になると一気に伝染していくのです。
なので、黒星病は雨(水)を通し感染するということです。
さらに!
落葉した葉に潜む場合もあります。
ですので、落葉した葉は必ずこまめに取り除いてくださいね。
また、水やりのときにも注意が必要です。
できるだけ根元から水やりをするようにして、跳ね返りを防ぎましょう。
根元に藁を敷いたり、マルチングするのも立派な対処法といえます。
ウッドチップなんかを敷いてもおしゃれですよね?
とにかく黒星病にさせないためには予防に予防を重ねていく。
これがめちゃくちゃ大事!
先ほどもお伝えしましたが、黒星病の原因はカビの一種である糸状菌。
普通のカビと同じように放っておくと、広がります。
カビと同じなので、近くにあるものから感染していくと考えましょう。
なので、鉢植えで育てている場合には、他の鉢は離しておきましょう。
庭植えの場合は離せないので、感染部分を取り除くという方法を取ります。
感染した葉は早い段階で取り除いてしまいましょう。
(まだ感染が少しの場合。たくさん葉を取り除くとダメージを受けます)
しかし、バラという植物であれば、大なり小なりいつかは感染はしていきます。
そのくらい防ぐのは難しく、最小限に収めるくらいに思ってください。
葉のワックスが取れてきた葉に感染し、新芽には感染しにくいという特徴もあります。
初期段階で見つけられれば、感染したところを取り除き薬剤を散布。
というのを繰り返し行うことが最大の予防ということです。
では次では詳しく予防についてお伝えしましょう。
バラの黒星病は予防できる?
こんなにみんなが困っている黒星病。
なのに黒星病には、まだ特効薬がありません。
なので、しっかりと管理し、予防することが一番大切です。
先ほど原因はお伝えしましたが、人間の力で防げるものではないですね。
だって土があればどこでも菌が居るのですから!
こんなときには堂々と薬に頼りましょう!
バラの場合は食べるわけでもないので、綺麗に保つためにしっかりお手入れしていきます。
代表的な予防薬としては・・・
の5点です。
季節ごとに上げてみましたので、使う時期によって変えてみてくださいね。
発生率の高い雨の多い時期には予防効果の高いものを。
小雨の夏など、軽い予防の時には総合薬などでカバー。
とくにフルピカはとても予防に期待でき信頼の置ける薬です。
ですが少し値段が高いため、ずっと使い続けられなければ、代用品を用意してください。
肥料切れも原因のひとつだった!
バラ自体が健康に育つ。
というのも立派な予防です。
花がらはさっさと摘み、いつも清潔な状態をキープします。
花柄を早く摘むと新芽がどんどんでてきます。
そして成長も順調にできるのです。
成長するためには、窒素入りの肥料が不可欠。
肥料を切らさないように、定期的に追肥しましょう。
追肥をする場合には固形、液体と二つのタイプがありますね。
固形がじっくりと効いてきて、持続性のある長距離タイプ。
液体は即効性があり、持続性はない短距離タイプ。
バラに行う追肥は固形のじっくりタイプにしましょう。
肥料焼けも起こしやすいので、計画的に与えていきます。
一回目
まずは、一番最初に花が咲いた頃。
バラ専用の固形肥料が手に入ればそれがいいでしょう。
無ければ、通常の窒素入り化成肥料で大丈夫ですよ。
二回目
二回目は夏の剪定の一週間前くらいに行います。
容量を守って与えましょう。
こちらもバラ専用、もしくは窒素入りの化成肥料です。
多すぎると、冬に休眠できなくなり、来年に影響が出る場合もあります。
三回目
そして冬1月から2月ごろに来年用に追肥します。
この時期の肥料は油かすなどを与えます。
一年間働き続けることになる大事な肥料です。
株元を囲むようにして20cmくらいの場所に穴を2つ掘ります。
100gくらいづつ与えましょう。
花がらだけでなく、土に雑草がないか。
落葉した葉が放置されていないか。
周辺も綺麗にしてみましょう。
バラがいつも健康で育てば、病気にももちろん強くなります。
健康を保つことが重要なのは、人間と同じですね。
いつも元気な状態を保ち、お手入れを欠かさないこと。
一番簡単そうで、日々の生活の中で難しいことですが、がんばってみる価値ありです。
【おすすめ記事はこちら】
バラが黒星病になってしまったらどうすればいい?
とはいっても、黒星病になってしまった~!
ということも、バラを育てていればもちろんあると思います。
プロだって完全に防ぐことはできないのです。
当たり前のことです。
先ほどもお伝えしたように、特効薬は現在ありません。
なので、これ以上拡大しないようにお手入れをする。
そして、回復を待つ。
しか方法がないのです。
まず、発生を確認したら、感染した葉、枝はすぐに取り除きます。
そして、発生初期に使える薬を散布してみます。
芽吹き前に散布することで、菌が越冬する前に殺菌できることもあります。
また、梅雨の時期には発生率が高くなります。
その時期には、一週間に一度の目安で殺菌していきます。
サプロールという薬は初期治療薬として有名です。
効果があると言われていますが、既に感染した葉には無力です。
拡大させないことを目的に使用しましょう。
ラリーという薬は、初期治療に優れ、効果も高いと定評があります。
サプロールに比べて新しい薬です。
このように、初期治療を終えたら、回復してくるのを信じて待ちます。
予防薬を定期的に散布しながら越冬。
春に元気なバラがまた見られるといいですね。
【よく読まれている記事はこちら】
黒星病も含めてバラを愛そう!
では、黒星病について簡単にまとめていきます。
まず、バラとは切っても切り離せない病気でした。
雨や、水の跳ね返りから感染する。
その特徴から、防ぐことも難しいのが現状です。
できるだけそうならないために。
予防がとても大事でしたね。
マルチングして跳ね返りを防ぐこと。
薬を散布して菌自体を殺菌すること。
肥料を切らさず、バラを健康に育てること。
できる予防はすべて行いましょう。
それでも黒星病にかかってしまった。
そんなときには、すぐに感染した部分を取り除く。
初期治療に期待できる薬を散布する。
こうして、バラ自身が持つ回復力を信じて手助けをするのです。
特効薬がないので、これをすれば大丈夫!
という治療法はありません。
でも、だからこそ元気な姿が余計に嬉しいですよね。
実は黒星病にかかりにくいバラも少ないのですが存在します。
新しい品種の方が耐病性に優れているものが多いのです。
古い品種だと、耐病性には劣ります。
ですが、たくさんの種類があるバラですから、自分の好きな品種を育てたい。
わたしはそう思います。
黒星病を完全に取り除くのは現状では不可能。
病気と共存する。
なんてかっこいい言葉では終われません。
ですが「病気のお手入れも含めてバラのお世話」と思ってみる。
考え方をかえることで、バラの一環として楽しんでできたらいいな、と思います。
【関連記事はこちら】