ローズマリーと言えば、花というよりはハーブやスパイスの方を思い浮かべる人も多いかもしれません。
私も、ローズマリーと聞くとなんだか「美味しそう」というイメージがまず浮かびます(笑)
でも、実はローズマリーはとってもロマンティックなお花。
恋の国、フランスでは昔から「愛の花」として有名なほどです。
ローズマリーは栽培もしやすく、一年を通じて収穫が可能なため、古くから人々の生活と共にあったハーブです。
実際、様々な文献にローズマリーは登場しているんですよ。
今回の記事では、そんなローズマリーの花言葉と一緒に
ちょっと面白いお話をいくつかご紹介したいと思います。
まずは、ローズマリーの花言葉からみていきましょう。
Contents
ローズマリーの花言葉は?
食用ハーブとして育成されることも多いローズマリーですが、実はとっても可愛らしい花を咲かせるのをご存知ですか?
料理の「ローズマリー」のイメージにある細長い針のような緑のハーブは葉っぱで、実はブルーや白などのお花をつけるんですよ。
そんなローズマリーの花言葉は、
- 記憶
- 追憶
- 思い出
- 私を忘れないで
- 忠誠
- 誠実
- 貞節
- 献身
- 静かな力強さ
- あなたは私を蘇らせる
- 変わらぬ愛
です。
全般的にはこのように表記されることの多いローズマリーの花言葉。
しかし、海外では少し意味合いが変わってきます。
ローズマリーに関する、主な海外の花言葉を確認してみましょう。
【おすすめ記事はこちら】
ローズマリーは日本と海外だと花言葉が違うの?
イギリスでは
- 「remembrance(記憶・思い出)」
フランスでは
- 「souvenirs(記憶・思い出)」
- 「Votre existence me fait revivre(あなたは私を蘇らせる)」
- 「Je suis heureux quand je vous vois(あなたに会うと幸せ)」
- 「coeur heureux(幸せな心)」
スペインでは
- 「recuerdo(記憶・思い出)」
- 「persistencia(持続性・固執)」
- 「lealtad(忠誠心)」
- 「buena fe(誠意)」
ドイツでは
- 「bestandigkeit(一貫性)」
- 「treue(忠誠)」
などがあります。
…なんだか、「記憶」に関する言葉や「愛」に関する言葉が多い気がしますね!
もちろん、それには理由があります。
そこでローズマリーの花言葉の由来をご紹介していきます!
ローズマリーの花言葉の由来って?
ローズマリーの花言葉の成り立ちを知るには、ローズマリーが古くからどう使われてきたのかをみるのが一番です。
「記憶」とローズマリー
古代エジプトには、ミイラの棺の中にローズマリーを入れる習慣があったそうです。
ローズマリーには防腐作用があるため、ハーブとして古くから活用されていたのですね。
そこから「元の姿を長く保つこと=記憶」というイメージが定着していきました。
「愛」とローズマリー
「元の姿を長く保つ」効果のあるローズマリーは、縁起の良い花としてやがて「愛」の象徴となってゆきます。
神聖な儀式にももちろん相性がよく、現代のヨーロッパでは結婚式の演出としても欠かせない存在となっています。
つまり、「神聖」の象徴として人々の側にあるのです。
ヨーロッパではローズマリーにははっきりとしたイメージがあるのですね。
でももしかすると、「愛」と「記憶」にはこちらのイメージの方が強く影響したのかもしれません。
…有名なシェイクスピアの戯曲「ハムレット」にローズマリーが出てくるエピソードがあるんです。
有名な台詞と共に、まとめてみました。
何故シェイクスピアの作品にはローズマリーが出てくるのか?
OPHELIA
There’s rosemary, that’s for remembrance;
Pray you, love, remember.
オフィーリア
これがローズマリー、ものを忘れないようにするお花よ。
ねえ、愛しい方。お忘れにならないでね。
復讐物語、という言葉だけでは表しきれない、運命とすれ違いの悲劇が描かれたシェイクスピア4大戯曲のひとつ『ハムレット』。
ハムレットの中で、悲劇のヒロインオフィーリアの最大の見せ場にローズマリーが登場します。
ハムレットをご存知ない方のためにざっくりしたあらすじを紹介しますね。
主人公はデンマークの王子ハムレット。
そのハムレットが急死した王である父が実は叔父に殺されたということを知り復讐をする、というもの。
ハムレットは復讐を悟られないため、わざと狂気を装います。
驚いたのは恋人のオフィーリアです。
あんなに優しかったハムレットが、突然自分に対してわけもなく辛くあたるようになり、理不尽に罵られるのですから。
もちろんハムレットは本当のことを言えません。
復讐を誓った以上、気を抜くことはできないのです。
何も知らないオフィーリアからしてみれば、理由なく恋人に突き放される戸惑いや苦しみは生半可なものではなかったでしょう。
そして、大事件が起こってしまいます。
オフィーリアの父を復讐の相手だと間違えたハムレットは、誤ってオフィーリアの父を刺し殺してしまったのです。
愛する恋人を失ったばかりか、愛する父までもをその恋人の手で奪われたオフィーリアの精神状態はもう限界でした。
第4幕第5場、舞台は宮廷の広間。
オフィーリアの兄が父の急死の知らせを受け、宮廷へと駆けつけたところです。
そこにオフィーリアが花を持って現れます。
意味のわからない内容の歌を口ずさみながら、恋人ハムレットと間違えたのか、兄に向かって花を差し出しー
「これがローズマリー、ものを忘れないようにするお花よ。
ねえ、愛しい方。お忘れにならないでね。」
父を殺され、もはや兄と見分けることもできないのに、なおもハムレットへの愛を花に託す…
「忘れない」花であるローズマリーが、その悲痛さを増しています。
ローズマリーの効能を経験上よく知っていたヨーロッパの文化にあった人々は、
このローズマリーの演出効果に心を打たれたことでしょう。
そう、ローズマリーは「愛」と「記憶」の象徴なのです。
またローズマリーの香り成分には精神状態を健やかに保ってくれると昔から言われてもいました。
現代では、それが科学的な効果として正しいことが解明されているんです!
ローズマリーの香り成分の効能についてご紹介します。
ローズマリーの香りの効果って?
ローズマリーの香りの効能には、主に
「記憶力、集中力を高める」
「落ち込んだ気分を高揚させる」
ことがあります。
花言葉も「記憶」であるローズマリーは、何かを記憶したいときや集中したいときに役に立ちそうですね。
すっきりとした香りは脳を心地よく刺激し、記憶の保持に役立ちます。
また、ハーブティーにして飲むことで
- 「血行促進」
- 「消化促進」
- 「美肌作用」
- 「抗酸化作用」
の恩恵を受けられるのもローズマリーの嬉しいところ。
まさに、脳も、身体もサビつかせない「記憶」のお花ですね。
最後に、これまでのことをまとめたいと思います。
【よく読まれている記事はこちら】
ローズマリーの花言葉~まとめ~
ローズマリーの花言葉は
- 「記憶」
- 「追憶」
- 「思い出」
- 「私を忘れないで」
- 「忠誠」
- 「誠実」
- 「貞節」
- 「献身」
- 「静かな力強さ」
- 「あなたは私を蘇らせる」
- 「変わらぬ愛」
そして香りの効能は
- 「記憶力、集中力を高める」
- 「落ち込んだ気分を高揚させる」
- 「血行促進」
- 「消化促進」
- 「美肌作用」
- 「抗酸化作用」
です。
ローズマリーに関する「愛」と「記憶」のに関係の深いハムレットのお話をご紹介してきました。
それぞれが深く結びついているのだということが分かりますね。
花言葉は、必ず意味があってつけられます。
そこに込められた気持ちに、想いを馳せてみませんか。
【関連記事はこちら】