今回は人気のハーブのカモミールの紹介です。
ハーブティや入浴剤、香料、染色にも使用されます。
お店などでもメニューによくある為、自宅でもハーブティを楽しみたいという方が私の周りには多いです。
収穫目的で鉢植えで室内で育てたい、という方からよく育成の相談を受けます。
質問の多くは
「葉ばかり増えて花が咲かないんだけど、どうしたら?」
というものです。
こうした方々に助言をさせて頂く時、カモミールの種類から必ずさせて頂きます。
理由はカモミールの種類によって、育て方も用途も異なるからです。
皆さんも花が咲かない悩みを持った事がありませんか?
またカモミールの種類は正しくご存知でしょうか?
Contents
カモミールのハーブティーを飲みたい方が選ぶべき品種は?
カモミールには二種類の代表的な品種があります。
一つはジャーマンカモミール
もう一つはローマンカモミール
です。
ジャーマンカモミールは花にのみ香りがあります。
この品種には苦味が無く、ハーブティなどの用途向けです。
一方のローマンカモミールは花だけで無く、葉にも香りがあります。
しかし苦味が強いのも特徴で、入浴剤などの用途向けです。
植物としての違いもありジャーマンカモミールは一年草、ローマンカモミールは多年草となります。
この為、育て方や注意点が異なりますし、種からの育成か苗からの育成かといったスタートラインすら異なるのです。
今回はハーブティの為の栽培ですので
「一年草であり、種からの育成が一般的なジャーマンカモミール」
についてのご紹介です。
間違いのない様にお願いします。
最初はジャーマンカモミール特有の種蒔きを見てみましょう。
基本的な注意点はどちらのカモミールも共通になりますが、種まきは通常ジャーマンカモミールのみになります。
しっかりとスタートの工程も押さえて下さいね!
ジャーマンカモミールの種まき方法
ジャーマンカモミールの種まきは、春でも秋でも育ちます。
具体的には3~4月か、9~10月です。
大きい鉢にいきなり植えると害虫被害に遭う原因になります。
最初は育苗ポットから育てましょう。
種植えの手順
- ポットにハーブ用などの土を入れる
- 種が重ならない様にばら撒きにする
- 種を隠す様に薄く土を被せる
- 土を上から軽く押して固める
- 水を細いジョウロか、霧吹きで与える(種が細かく流れる為)
- 土が乾かない様に水やりをし、日当たりの良いところに置く
- 発芽して、葉が触れ合うようになったら成長の遅い目を摘む
- 本葉5枚程を目安に、鉢に植え替える
以上が一年草で繁殖力の強いジャーマンカモミールの一般的な種蒔きでした。
特有の注意点は種が細かい点だけですね。
個人的には発芽までの水やりは霧吹きをお勧めします。
続いてはカモミールの育成の基本を見ていきましょう。
花が咲かない悩みも解決出来ますよ!
カモミールの花が咲かない理由は環境が間違っているかも?
カモミールを室内で元気に育てるポイントを押さえていきましょう。
カモミールは乾燥気味を好みます。
この為、風通しの良い場所に置きましょう。
また日当たりの良い場所に置いて下さい。
強い直射日光だと葉焼けしますので、その場合はカーテン越しに当てるなど工夫をしましょう。
また、気温の目安は15度程度です。
育てる土に関してはハーブ用のものか、野菜用のものを使いましょう。
比較的、育てやすいので細か過ぎるこだわりは要りません。
水やりは土が乾いたら、たっぷりと与えてあげましょう。
夏はあまり得意な植物ではありません。
気温の低い朝か、夕方に水やりをして下さい。
日中にやると土の中が蒸れて根にダメージが出ます。
肥料については基本は必要ありません。
種蒔きの時、植え替えの時にのみ緩効性肥料(かんこうせいひりょう)を与えて下さい。
肥料過多になると香りが弱くなります。
いかがでしたか?
花が咲かない理由は先ほどお伝えした「どれか」が間違っている事が多いです。
中でも特に水やり、肥料のところですね。
どちらもあげ過ぎな方が多いですし、夏場の水やりは時間帯を間違う方が多いです。
さて、ここまでを押さえればスクスク育ちます。
次に押さえるポイントは手入れです。
カモミールの花を咲かせる為の剪定と摘芯について
剪定(せんてい)せず置いておくと、葉が茂り株元が蒸れてしまいます。
株元が茂ってしまわないよう、適時で剪定を行なって下さい。
また摘芯(てきしん)も必要です。
新芽が10センチ以上になったら摘芯をして下さい。
摘芯をする事で花数が増えます。
摘芯とは新芽を取り除く事です。
残した方に栄養を十分に行き渡らせる為、また株姿を整える為に行います。
種蒔きからするジャーマンカモミールにはどうしても必要な工程です。
株元の風通しの為に、株姿をよくする為に。
花を多く咲かせたい方はしっかりとやってあげましょう!
最後にもう一つだけ、カモミールの元気が無くなる原因があります。
なんだか分かりますか?
多分皆さんも心配になるものですよ。
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カモミールは虫に注意が必要だった?
植物の育成で気になるのは害虫ですよね。
ハーブは虫が付きにくいイメージがあるかもしれませんが、カモミールにはアブラムシが付きます。
どういうところにつくかというと・・・。
葉と葉が密集しているところなどに付きやすくなります。
その為、間引きは適時で行なって下さいね。
また肥料もチッ素の多いものを使うと虫が付きやすくなりますよ。
そもそも肥料はあまり要らないので押さえておきましょう。
アブラムシが付かないようにする予防方法も紹介しますね。
予防方法
- 黄色い粘着シートを使用します。
アブラムシは黄色のものに集まる習性があります。
その為黄色の粘着シートにくっつくので、アブラムシの数を減らせるのです。
- 割り箸などを支柱にし、粘着面を外側にして設置します。
- カモミールの周りに数本セットしましょう。
またアブラムシは高いところから飛んできます。
なるべく粘着シートも高い位置に設置して下さい。
では、もしアブラムシが付いてしまったらどうすすれば良いでしょうか?
対策は色々とありますが、ハーブティに使いたいので農薬は極力避けたいですよね。
農薬を使わない方法はいくつかあります。
牛乳、コーヒー、木酢、重曹などがありますが注意点や臭いなどの観点からお勧め出来ません。
市販の水あめ、でんぷん由来の農薬をお勧めします。
水あめ、でんぷんから作られた農薬なので非常に安心です。
収穫の直前まで使える点も利便性が高くなり、私はこちらをよくお勧めしています。
ここまでを押さえて貰えれば心配無く、育成が出来ます。
スクスク育つカモミールを楽しんで下さい。
続いて、育てたカモミールの楽しみ方を紹介します。
ほんの一部となりますが参考にしてみて下さい。
カモミールの収穫とハーブティに使うには?
せっかく育てたカモミールですので、収穫までやり方を覚えていきましょう。
ジャーマンカモミールは3月~5月が収穫時期です。
花びらが反り返るか、真ん中の黄色の部分が盛り上がったら摘み取りましょう。
剪定(せんてい)を兼ねる場合は茎から摘み取って下さい。
ハーブティに使うのは真ん中の黄色の部分のみです。
乾燥させて、周りの花びらは除いてしまいましょう。
乾燥は水洗いをした上で、風通しの良い日陰で一週間乾かして下さい。
その後は保存容器に乾燥剤と一緒に入れ保存します。
ハーブティやポプリとして楽しみましょう。
ここで香りの良いハーブティを楽しむポイントがあります。
それは咲いて比較的すぐの花を摘む事です。
目安は花後3日程となります。
ここまでで多くの内容を紹介してきました。
最後におさらいをして、ポイントを身に付けましょう。
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カモミールの花を咲かせて収穫するためのポイント~まとめ~
カモミールには種類があり、それぞれに育成のポイントがある事をお伝えしました。
今回はハーブティの為にジャーマンカモミールの紹介でしたね。
育成のポイントでは
- 日当たり、気温、風通しの置き場所
- 水やりのやり方と、夏は日中には与えない注意点
- 土はハーブ用のものを使う
- 肥料は種蒔きと植え替えの時だけ
といったところがポイントでした。
手入れは剪定と摘芯が必要でしたよね。
株元の蒸れには注意しましょう。
またこの工程をすると花が多く咲きますよ。
収穫では時期と、なるべくフレッシュな花を摘み取る事で香りの良いハーブティが楽しめました。
私が受ける事の多い質問を中心に紹介しましたので、多くの方の悩みが解決出来ると思います。
カモミールにはこの様に育成から始まり、お手軽にハーブティとして楽しめるところまでの魅力があります。
自分で育てて、自分で作ったハーブティは格別ですよ!
是非、皆さんも楽しんでみて下さいね!
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今ちょうど睡眠の質を良くするためにカモミールを飲んでいるので、自分としてはタイムリーな記事でした。始めにこのタイトルを見た時には「カモミールって育てるのが大変な植物なのかな?」と一瞬思ってしまいましたが、大抵の植物や野菜に果物は丁寧に育てないといけないわけですし、記事を読むにつれてこれらをやり遂げるのは当たり前のことだと感じました。最後にはハーブティーやポプリの作り方が載せていてほっこりとしました。ガーデニングはやったことはないのですが少しやってみたくなりました。