まだまだ厳しい寒さが続きますね。
どんよりとした冬の空と落葉した木々の中で、かすかな春の訪れを感じさせる花。
それが福寿草です。
雪が降った地面からでも、愛らしい黄色の花をひょっこりと咲かせ、ひときわ目を惹きます。
また、花の少ない時期に咲くため、その姿はいっそう感動的。
そんな福寿草は、落葉性の多年草。
寒さに強く、夏が来る前には落葉し、地上部がなくなってしまいますが、根は生きています。
環境が合い根も充実すれば、年々花数も増えていきますよ。
条件さえ整えてあげれば、あまり手をかけなくても育てることが可能です。
さっそく早春の感動を味わえる福寿草を育ててみませんか?
Contents
福寿草の育て方~基本編~
福寿草は雪が降った地面からでも花を咲かせる、寒さに強い植物で、落葉性の多年草。
早春の2~3月、地面から小さい葉を持った黄色い花をひょっこり咲かせ、春が近いことを感じさせます。
土が凍るほどでなければ、しっかり外の冬の寒さに当てることが大切。
こうすることで、開花が促されます。
地面から顔を出したときの背丈は10㎝程度の福寿草。
その後、茎がどんどん伸びニンジンのような深く細い切れ込みの入った葉が展開していきます。
その時には背丈30㎝程度になります。
花が咲き終わると、小さなブドウやコンペイトウのような実を付け、夏が来る前に枯れます。
地上部にいる期間は短く、1年の半分は地下にいます。
そのため、ついつい世話を忘れがちになってしまいがち。
ですが、休眠期を経て次に芽を出す12月頃には根が活発に成長します。
寒さに強いということは、暑さには弱いのでしょうか?
福寿草はどんな場所が好み?
本来、福寿草が自生している場所は、林の中の落葉樹の木漏れ日の下。
自然となだらかな水はけのいい斜面で見ることができます。
そもそも、暑さは少々苦手なため、日差しがガンガン当たるような場所では株が弱っていまします。
日当たり自体は好む性質もあり、地植えでは落葉樹の下などに植え付けると安心です。
鉢植えの場合、地上部が枯れ休眠している間は日陰に移動させ、12月以降に芽が出たら日に当てます。
茎が伸び葉が展開してきたら半日陰に移動させるといいでしょう。
水は好むのでしょうか?
水やりの頻度は?
基本的な水やりの方法を守ります。
鉢植えであれば、土の表面が乾いていたらたっぷり水を与えましょう。
それは、地上部が枯れてなくなっていても継続します。
特に、葉が展開してくると大きくなりますので、この時期の水やりは欠かせません。
ただし、梅雨時や雨が降り続く時は、根腐れに注意し水を与えることを控えます。
地植えであれば、基本、降雨のみでかまいません。
ただ、葉が展開する時期は特に水を欲しがりますので、晴れが続くような時は、水を与えます。
やはり肥料をあげた方が花がたくさん咲くのでしょうか?
肥料派あげた方がいいの?
福寿草はゴボウのような太い根を持ちます。
この根が成長することで、株が大きくなり花数も増えていきます。
そこで、必要となるのが根を育てるための肥料。
まず、植え付け時には緩効性肥料をすき込んでおきます。
その後の肥料では、芽出しの時期と花後の時期の施肥(せひ)が大切になってきます。
12月の芽が出てくる時期には、置き肥をしましょう。
また、地中では秋からすでに芽が作られはじめています。
そこで、11月頃から施肥をしても大丈夫です。
また同時に2週間に1回程度液肥を与えましょう。
この時期は根が生育する大切な時期。
この時期に肥料をしっかり与えておくと春の開花がぐんとアップします。
また、春の開花後には、すぐ置き肥をしておきます。
花をたくさん咲かせるポイントは根にある?
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福寿草に沢山の花を咲かせるには?
福寿草の花をたくさん咲かせるためには、ポイントがあります。
肥料のところで触れましたが、根を育てると花がたくさん咲くのが福寿草です。
そこで、根を育てるには、福寿草の生育サイクルを理解しておくことが大切。
生育サイクルについては、これまでも述べてきましたが、おさらいしましょう。
- 2月頃花が咲く。
- 茎が伸び、葉がたくさん展開してくる。
- 晩春から葉が枯れ、地上部がなくなる。
- 休眠する。
- 気温が10℃以下になる12月頃に根が活発に成長し、芽が出てくる。
このように、根の成長時期である11月~12月に施肥を行うことがいかに大切か分かりますよね。
福寿草を育てるうえで、気を付けることは他にどんなことがあるのでしょうか?
来年も福寿草の花を楽しむにはどんな手入れが必要?
福寿草は根が大切だということはこれまで説明してきました。
そこで株が大きくなってきたら植替えや株分けをする場面もでてきます。
その際の注意点について見ていきましょう。
福寿草は、その花からは想像できないような、細いゴボウのような長い根を持っています。
特に鉢植えで育てている場合、順調に生育していると、このゴボウのような根で根詰まりしがち。
2年に1回程度は植替えしましょう。
時期は、休眠期でもある9月~10月頃が適期。
長い根を持つため、一回り大きく、さらにできるだけ深い鉢に植替えてあげます。
また、同時に株分けをすることもできます。
ただし、福寿草はへたに根をいじると返って株を傷めかねません。
根をカットしたりせず、また、あまり細かく分けないよう気を付けましょう。
カッターやマイナスドライバーを使って切り分けることをおすすめします。
そんな福寿草ですが病害虫には強い植物なのでしょうか?
福寿草のあいやすい病害虫被害は?
白絹病(しらきぬびょう)が発生することがあります。
白絹病とは、気温25℃以上で発生しやすくなるため、特に夏場によく見られます。
土の表面や株元に白い絹糸のようなものが現れ、しまいには株全体を覆い枯死させてしまうことも。
予防策としては、清潔な用土を使い、風通しや水はけに注意することが大切。
また、一度感染してしまうと治療することはできません。
感染した株は抜き取り、焼却処分します。
また、植えていた土の中にも菌は生きていて、5年程度は生存します。
そのため、太陽の熱を吸収する黒いビニールシートなどでおおいます。
そして土壌を高温で日光消毒させましょう。
害虫としては、春先にアブラムシやナメクジが付くことがあります。
見付け次第、捕殺することが大切です。
それでは福寿草の育て方のポイントについて、振り返ってみましょう!
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福寿草の成長サイクル
- 2月頃、黄色い花が出てきて、草丈は10㎝程度。
- その後ニンジンの葉に似た切れ込みの深い葉が展開してくると草丈は30㎝程度に。
- 夏が来る前に葉が枯れ、その後は休眠状態。
- 秋には地中で芽ができ始め、12月頃には芽が出始める。
福寿草は根が成長すると、花芽が多くでき花数が増えます。
根を成長させるためには、肥料は欠かせません。
施肥は、秋と春。 - 11月~12月頃に置き肥。同時に2週間に1回程度液肥を。
- 開花が終わったら、すぐ置き肥を。
- 植替えは、休眠期の9月~10月が適期。
特に根を傷めないよう、また細かく分け過ぎないよう丁寧に切り分けましょう。
また、注意点として、福寿草には強い毒があります。
よくフキノトウと間違えられることもあるようですので、誤って口にしないようにしましょう。
福寿草はまだまだ寒さが身に染みる2月頃に開花してきます。
花の下あたりに小さな葉を抱えながら、寒さの中で開花する福寿草。
その様子はきっとあなたにあたたかな感動を与えてくれますよ。
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