今回は、家庭菜園では代表格の「きゅうり」の栽培について紹介していきます。
恐らくあなたも「やってみたい!」と興味を持ったことがあるのではないでしょうか?
家庭菜園でしっかりと収穫まで考えて栽培となると、庭先などの広いスペースで育て方が良いのでは?
そう思いがちですよね。
でも、きゅうりはベランダで育てられるんです。
なぜならプランターでも、美味しく立派に育てることができるからなんですね。
そこでここからは、プランターで見事なきゅうりを育てるためのポイントを紹介していきます。
自分で育てたきゅうりを、獲れたてでパリッといただくなんて夢を叶えちゃいましょう!
Contents
きゅうりの育て方!基本情報から知っていこう!
まずはきゅうりの基本情報を知っておきましょう。
今回はプランター栽培の紹介ですが、育てるのが地植えでもプランターでも植物の基本情報は必ず押さえるようにしてくださいね。
きゅうりは一年草の植物です。
一年草とはタネを蒔いて花を咲かせ、実やタネを付けたら1年以内に枯死してしまう植物を指します。
ワンシーズン限りの植物という認識で良いでしょう。
原産国はインド北部やヒマラヤ山嶺です。
寒さには弱く、暑さにはそこそこ強い性質があります。
夏の野菜の代表格ですからイメージもわきやすいですよね?
草丈は基本的には2m以上に育ち、収穫時期の目安は6月~10月です。
収穫期間が長く、多くの量を収穫できる点が特徴と言えるでしょう。
そして何より、成長速度が速いということを覚えておく必要がありますよ。
つまり栽培作業の遅れには、特段の注意が必要な植物なんです。
きゅうりの基本情報は分かりましたか?
一年草なので、そこまで暑さや寒さについては気にかける必要はないですね。
しっかりと栽培スケジュールに沿って、成長期などには作業が遅れないようにする必要があります。
基本情報の大きなポイントは、成長速度が速いことですよ。
では次からは本題のプランターでの育て方を見ていきましょう。
きゅうりをプランターで育てる時のパターンとは?
きゅうりをプランターで育てるには種から育てるものと、苗から育てるものの2パターンが存在します。
種から育てる場合
種から育てる場合だと、定植時期(ていしょくじき)から育苗期間(いくびょうきかん)を逆算して種まき時期を決めます。
ちなみに定植とは種から育てた苗を、本格的に育てるために植え直すことを指します。
また育苗は字の通り、苗を育てることです。
そしてきゅうりの育苗期間は大体30日前後となります。
そのため、きゅうりは定植を始める1ヶ月まえに種まきをする必要があるんです。
注意点としては、きゅうりは寒さに弱い点が挙げられます。
発芽適温が25℃~30℃と高めのため、育苗の期間には加温が必要となるんです。
種からの育成はちょっと手間が多いかなぁといったイメージですね。
なので初心者さんには苗から育てる方法をおススメします。
苗から育てる場合
苗から育てる場合では、苗選びが1番のポイントとなります。
当たり前ですが元気な苗を選ばないと、元気に育ちませんよね。
良い苗のポイントはこの6つです。
- 葉が厚く、色が濃くてうぶ毛のあるもの
- 双葉(子葉)がまだあり、本葉が3~4枚くらいのもの
- 節と節の間が間延びせずに詰まっているもの(徒長していない証)
- 全体的にしっかりとしていて、ツルも太いもの
- 葉の変色などなく、虫も付いていないもの
- ポットの底から白い根が見えるもの
このほかにも接ぎ苗(つぎなえ)というものがあります。
これは病気に強く連作にも強い根を持つ台木と、美味しい実を付ける苗とを接いだ苗のことです。
値段が高くなることが難点・・・。
ですが、失敗の可能性が下がるので初心者の方にはおすすめですよ。
いかがでしたか?
きゅうりを育て始める方法は2パターンありましたね。
種からの栽培だと、温度の管理に手間がかかり過ぎるのでおすすめしていません。
苗からの栽培を選択しましょう。
また苗選びには、全力を傾けていいと言っても過言ではありません。
ここが間違っていると、その後も元気に育たない可能性が高くなりますよ。
それでは続けて、きゅうりの植え付けを見ていきましょう。
きゅうりの植え付け方法は?
それではここからは、いよいよ植え付けについて見ていきます。
栽培環境と準備するものを押さえた上で、植え付けの手順を見ていきますね。
栽培環境と準備するもの
まずはきゅうりの栽培環境を整えて、植え付けに必要なものから準備をしましょう。
きゅうりは日当たりが良く、風通しの良い場所を好みます。
日当たりが足りないと元気がなくなりますし、過度に乾燥すると病害虫の発生の原因となるんです。
ベランダで育てる場合では、室外機の風が当たる場所は避けましょう。
また壁に挟まれた風通しの悪い場所なども避けてくださいね。
続けて植え付けに必要なものの準備です。
以下の5つを用意してください。
プランター
きゅうりは水を多く欲しがる特性があります。
土が多く入るプランターを選びましょう。
1株あたり20リットル程度の土が目安となります。
市販の大きめの深型のプランターで45リットルくらいの土が入りますよ。
また複数の株を植える場合では、株間を30cmほど空けます。
2株植えるのであれば、長さが60cm以上の幅のプランターが必要です。
土
土は市販の野菜用の培養土で十分に育ちます。
他に古土を使う方法なども、たまに見かけます。
でも病気などの予防のためにも市販の培養土を新しく買ってきた方が無難でしょう。
鉢底石
水はけを良くして病気を防ぐために使います。
無くてもいいという意見も見かけます。
だた、鉢底石がある方が植物にとっては住みやすい環境に近いのかなと思います。
ネット
鉢底石をネットに入れることで、用土の入れ替え時の手間を省きます。
これがないと鉢底石を再利用するときにいちいち石と根をはがさないといけないので若干手間です。
シャベル
土をならすのに使います。
ガーデニングをするには1つは持っていた方がいい必須アイテムですね。
以上が準備をするものです。
しっかりと用意をした上で植え付け作業に取り掛かりましょうね。
植え付け手順
では、さらに続けて植え付け手順も見ていきます。
- 鉢底石をあらかじめネットに入れておく。
(60cmのプランターなら、ネットを2袋くらいに分けましょう) - 用意したプランターの底が隠れるように鉢底石を敷く
- 鉢底石の上に培養土を入れる
- 用土をプランターの縁から3cmくらい下まで入れたら、土の表面を平らにならす
- 土に植え穴を開けて、穴の中に十分に水を染み込ませる
- 少し浅植えになるように植え付ける
- 植え付け後は鉢底から水が溢れるくらいにたっぷり水やりをする
- 仮支柱を立てる
以上です。
このまま植え付けのポイントと注意点も見ていきましょう。
植え付け時のポイントと注意点は?
植え付け時に一番気をつけたいのは、植え付けの時期です。
きゅうりは寒さに弱い植物ですので、気温が十分に上がってから植え付けましょう。
5月以降が目安です。
注意点としては仮支柱を立てる際にあります。
仮支柱はあくまで仮ですので、根を傷付けないように斜めに立てましょう。
まだ弱い苗のツルが、強風などで折れてしまうのを防ぎます。
ある程度育って、根もしっかりはってきたら本支柱を立ててください。
また植え付け直後の状態では、特に乾燥に気をつけましょう。
10日~14日後くらいからは、土の表面が乾いたらたっぷりと水やりをする程度の目安に切り替えてください。
植え付けまでの手順やポイントは以上となります。
植え付けの時期や、とにかく乾燥に注意することが最重点のポイントでしょう。
基本的には手順通りにやれば失敗はないと思いますよ。
次は育て方の最後のポイントです。
植え付け後の育て方について紹介していきます。
きゅうりの育て方の植え付けのポイントは?
上の説明までで、植え付けが完了しましたね。
ここからは植え付け後の育て方の紹介です。
少し項目が多くなりますが、1つ1つ押さえていってください。
水やり
何度か触れていますが、乾燥に注意をして毎日観察する必要があります。
土の味表面が乾いたらたっぷり与えましょう。
実を付けると驚くほど早く、水を入れ吸い上げる性質があります。
朝あげても夕方には乾いていることもあるほどです。
その場合には夕方にも水やりをしましょう。
追肥
植え付けの2週間後から追肥を開始します。
2週に1回のペースで、化成肥料を1株について10gほどが目安です。
または1週に1回のペースで、規定量に薄めた液体肥料を水代わりに与えてください。
きゅうりは成長が早く、次々に花を咲かせる特性があります。
肥料切れは実の付きの悪さに直結しますし、実の奇形にも繋がるんです。
追肥は必ず実施しましょう。
摘心と整枝
植え付け後に立てた支柱と同じ高さにツルが伸びたら摘心しましょう。
摘心とは伸びすぎた部位を切り取ることです。
摘芯を行って、養分が株全体に行き渡るようにコントロールして植物の成長を促す作業です。
きゅうりの場合では、摘心をすることでツルの伸びすぎや絡み合いを防ぎます。
また余計に養分を費やすことを防ぎ、株の重要な部位に栄養が行き届くようになるんです。
結果として 花付きが良くなり、実の付きも良くなります。
摘心の時の注意点としては、実の先に2枚の葉を残すのを目安とすることです。
またまだ未熟なツルを全て摘心すると、株が弱ることがあります。
こうしたツルは2~3本残すようにしてください。
誘引
きゅうりは成長が早く、あっという間にツルが伸びてしまいます。
そのため誘引と呼ばれる作業が必要です。
ツルが伸び過ぎると絡み合ったり、垂れさがったりして日当たりや風通しを悪くします。
株がしっかりとしてきたら支柱やネットを設置してください。
支柱は160cm~180cmが使いやすいと思います。
支柱を合掌型に組みましょう。
この際に紐だけでも誘引できますし、支柱とネットの併用をする方法もあります。
支柱とネットの併用では、プランター栽培向けのセットも売っていますので困ったら園芸店などで購入しましょう。
またベランダや庭先にフェンスがあれば、そちらに誘引することも可能ですので一応参考までに覚えておいてくださいね。
病害虫
きゅうりはうどんこ病、べと病などにかかることがあります。
どちらも水はけの悪さ、風通しの悪さといった栽培環境が原因となるんです。
栽培環境さえ整えておけば、病気のリスクはかなり減らせますよ。
また害虫については、アブラムシとウリハムシが挙げられます。
アブラムシ虫は毎日の観察で見つけることが可能です。
見つけ次第、粘着テープなどで早期に捕殺しましょう。
数が増えてしまったら薬剤に頼ってくださいね。
無農薬のものも市販で入手できますよ。
あまり侵食されると、株ごと処分せざるを得なくなってしまいますので気を付けましょうね!!
ウリハムシは事前に発見することは難しい虫です。
早めに捕殺できればベストですが、マラソン乳剤というものを使用するのが一般的となります。
覚えておきましょう。
きゅうりの育成は以上です。
割と項目も多く覚えることが多く見えてしまいますね。
ただ実際の作業に落とせば、そこまでボリュームはありません。
上にも書いたように、成長速度が速いので作業遅延がないようにしてくださいね。
そのためには事前に作業を把握しておく必要がありますよ。
では育て方が分かったところで、いよいよ収穫についてを見ていきましょう。
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きゅうりの収穫について
きゅうりの収穫で、まず覚えておきたい点は最初につけた実からです。
この最初につけた2~3本の実は早めに収穫しましょう。
その後は標準的な品種では、18cm~20cm程度になったら収穫時となります。
18cmより少し小さいからといって収穫を翌日に回してしまう方がいるんですが、一晩で10cmくらい育つこともあるんです。
18cmは、あくまで目安として認識をしておきましょう。
また、きゅうりは大きくなると味が落ちるので早めの収穫の方が良いんです。
多少小さいかな?と思うようであれば、収穫してしまって良いでしょう。
実を早めに収穫することで、下部の疲労も防げるので結果的に収穫量も増えますよ。
きゅうりの収穫のポイントはいかがでしたか?
目安くらいの大きさになったら、早めに収穫することで美味しいきゅうりを獲ることができます。
18cmなければならないというわけではありませんからね。
収穫の説明までを終えましたので、最後にまとめです。
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きゅうりをプランターで育てる方法とは?~まとめ~
きゅうりのプランターでの栽培を中心に紹介してきました。
項目が多くなってしまいましたが、基本的な植物の栽培と共通するところが多くあります。
実際の作業ではそこまでのボリュームとならないでしょう。
難易度が高くなる要因は、成長速度が速いから。
作業工程をあらかじめ把握しておくことで、しっかり対応できます。
分からなくなったら今回の記事を確認してくださいね。
またツル性の植物ということで、誘引が必要なんでしたよね。
ツル性の植物を育てたことがない方には、難しそうに聞こえるかもしれません。
しかし、こちらは支柱などがしっかりと設置できれば問題なくクリアできます。
そしてうまく支柱を設置するポイントは、深いプランターを使うことです。
プランター選びを間違えず、作業手順通りに育てれば実を付けさせることは簡単ですよ。
そして美味しくいただくために、早めの収穫を意識してくださいね。
1晩経つとお化けキュウリに変身!ということもあるので・・・。
ぜひぜひこの勝利を参考にしながら、きゅうり栽培にチャレンジしてください!
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